冬のしじま

ハート・ロッカーの冬のしじまのレビュー・感想・評価

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)
3.5
戦争の恐ろしさについて描いた作品。
「ハート・ロッカー」というタイトルは苦痛の極限状態という意味もあるらしい。しかし人間とはどんな極限状態にもなれることができる。800以上の爆弾を解体したジェームズは優れた軍人だろうが、きっと爆弾を解体するごとに戦場という異常状態に慣れていき、そして普通の日常生活からは離れてしまった。時おき彼の行動が周りに人間に理解できないのはそのためだろう。同じ班の戦争経験の浅い順番に音をあげていくが、ジェームズはまたもや戦場に復帰する。私たちの日常に微妙に溶け込めていないあの短いシーンが一番恐ろしい。彼は優秀な兵士であり、それは戦争に取り憑かれていて、非人間的で、殺人マシーンということなのだ。誰が彼を救えるのだろうか?
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