図師雪鷹

ハート・ロッカーの図師雪鷹のレビュー・感想・評価

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)
4.2
これはイラク戦争中のアメリカ軍爆弾処理班を描いた映画だ。

主人公のジェームズは、とても奇妙な男である。爆弾処理の腕は確かなものなのだが、爆弾処理に熱中するあまり仲間と繋がる無線を切ったり、自分が手を出さなくてもいいような任務に突っ込んだりする。そして、自分が処理した爆弾の一部を大切に箱の中にしまっているのだ。だが、どこかこの男には哀愁が漂っている。
彼はなぜこんな男になってしまったのだろうか。そして、銃弾が飛び交うイラクで、彼は生き残れるのだろうか。


キャスリンビグロー監督作品を見たのは三度目だが、一貫して言えることは、とにかく臨場感が凄まじい。非常に骨太の映画だ。なのに、この映画に限っては普通の映画より低予算らしく、人件費もかなり削っているように見受けられる。だが、そんな状況の中でも、この名作は誕生した。映画に関わった全ての人の熱い思いをひしひしと感じる作品だった。

なお、キャスリンビグロー監督は、この作品で、女性で初めてアカデミー監督賞を受賞する。彼女が映画史に残した足跡は非常に偉大なものだろう。
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