cocoamama

ハート・ロッカーのcocoamamaのネタバレレビュー・内容・結末

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

イラクでのアメリカ兵の爆弾処理班の活動を描いた映画。戦争は麻薬だと言うテロップが最初に出ていた意味が最後まで観て分かった。
破天荒な爆弾処理をするジェームズ一等軍曹に、反発するサンボーン軍曹と若いエンドリッジ技術兵の3人で主に物語は進む。
少年が人間爆弾にされているのを見つけ、みんな精神的にやられた直後、ポンとたまたまその日だけ現場に来てしまっていた上司的な奴がテロにあい姿形なく爆死。エンドリッジは作品中ずっと不安定で戦争慣れしていないある意味1番人間らしい人物だったが、ここに来て作品中一二を争うパニック。
人間爆弾にされていた少年を、ジェームズは可愛がっていたベッカムだと思った為、腹から爆弾を取り出してやり遺体も建物から運び出した。1人になった時に2度涙を流す程辛く衝撃的な出来事だったのに、ジェームズの戦地への飢えは終わらなかった。3人で楽しく酒を飲んでいても結局ヒヤヒヤする展開になる。
終盤になるとサンボーンとエンドリッジは死への恐怖で弱音を吐くが、ジェームズだけは任務期間を終えアメリカに帰っても平穏な暮らしに満足出来ず、スーパーのシリアルの大陳列を呆然と見つめ、赤ちゃんの息子に大切なものなんてパパくらいの歳になったら1個しかない、と言う。結局ジェームズは次は一年の任務に出て、嬉しげに防護服を着て砂塵の中を歩いているシーンで終わる。
誰かがやらなきゃいけないからと理由をつけても、死と隣り合わせでないと、刺激が無いと生きてる感じがしない自分がいるのは明白で。

言葉数が少なく?感じましたが、演技が素晴らしく目線のやり方や唇の噛み方など細かい表情の変化から乾いてヒリヒリするような、チリチリするような重さや空気がイメージ出来ました。
ジェームズはとても人間らしいのに、狂ってしまっている。戦争は怖い。私はグロいのがダメなので、人間爆弾シーンでちょっと具合が悪くなりました。
cocoamama

cocoamama