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ハート・ロッカーのshihoのレビュー・感想・評価

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)
4.2
2010年のオスカー6部門を受賞した作品。
イラク戦争中のバクダッド郊外での、アメリカ軍の危険物処理班の話。

「戦場は麻薬だ」とのフレーズが最初に出るし、ジャケットの感じからもスリリングさであったりある種の爽快感のある作品なのかと思っていたけど、全然違った。

あくまでアメリカ兵から見たイラク、ということにはなるけど、IEDと呼ばれる即席爆発装置(要は手作り即席爆弾)の恐ろしさ、起爆したら自分も吹っ飛ぶものを目の前にするのは画面越しで作り物とわかっていても、グッと体に力が入る。
実際イラク駐在で命を落としたアメリカ兵の大部分は戦闘による死亡ではなく、この即席爆弾によるものだそうだ。

爆発の瞬間の爆風で隆起する地面や
カメラアングルなど、さすが撮影賞も獲っているだけあり印象的な撮り方だった。

爆弾を処理に向かう際の周りの地元の見物人達の目が怖い。その中に起爆装置を持ってタイミングを伺っている奴がいるかもしれない。
兵士たちの眼光、浮かぶ汗、体に走る緊張感がこちらにも伝わってくる。

「戦場に出たらくじ引きだ、死ぬか生きるか、運次第だ」というような台詞が印象に残った。

実際一歩先を歩いていたらドカン、
銃弾が当たったら死ぬ、
アメリカ兵はもちろん、戦場となった場所の一般市民が犠牲になる様を見ると、今更ながら生まれた場所が違うだけでこんなに命の価値は変わってしまうものなのかと愕然とした。
本当に地獄だ。人は悪魔なのかもしれない。

戦場を扱った作品なら、そのあとの「ネイビー・シールズ」や「アメリカン・スナイパー」の方が親切でわかりやすく、スリルもありカッコいいシーンもあり見やすいとは思う。

でも今作はメインの登場人物を少なくして彼らの心の動きを見守ることでより戦場に行くとはどういうことなのか、体感しやすく重厚な作りになっていたと思う。

当初、「メッセージ」でかわいいおじさんだな〜と思っていたジェレミー・レナーが出ているのも観た理由の一つだったのに、そのことをすっかり忘れて
「この人魅力的だなぁ」と観ててエンドロールで思い出した(笑)

私多分可愛い顔したマッチョが好きなんですわ(//∇//)うふふ

彼の演じた人物、またその演技で引っ張ってた感もあり、やはりかわいいし抱きしめたくなってしまうどこか母性本能をくすぐる人ですね( ˶´⚰︎`˵ )
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