ぬーたん

逢びきのぬーたんのレビュー・感想・評価

逢びき(1945年製作の映画)
3.8
イギリス映画だが、このアメリカ版が『恋におちて』だと言われている。
『恋におちて』が好きなのでずっと観たいと思っていた。
確かにW不倫だし、列車や駅という設定も似ている。
1945年のモノクロ作品。
画面は暗くストーリーや舞台もかなり地味だが、カメラや会話がお洒落で粋な作品だ。
監督はデヴィッド・リーン。
名作『アラビアのロレンス』を始め骨のある作品を作っている。
今作はまだ3作目だがカンヌ国際映画祭でグランプリを獲っている。
配偶者が6人もいた!最後の結婚は82歳!
なかなかのお方だったようだ( ;∀;)

主役の2人は特別容姿が良いというわけでなく、何処にでも居そうなごく平凡な感じで華がない。
アレックはトレヴァー・ハワード。
ローラをセリア・ジョンソン。
ローラの帽子が変ないびつな形で気になった、あれは当時のおしゃれ?
ある木曜日に駅で出会い、互いの用事がある木曜日に毎週会うことになる。
この木曜日に、ローラは買い物や用事を済ませ、ランチを食べたり映画を観てリフレッシュしているのだ。
あら。これ私もそうだ。
何せ木曜日はレディースデーで映画が安い!
ついでにランチと買い物を楽しんでいる。
出会い、ないかな?あるわけないか(*_*;

2人の別れから始まる。
そこからローラの回想で、出会った頃の過去に戻って進んでいく。
KYでお喋りで詮索好きな友達が邪魔でむかつく。
駅のカフェの女給と駅員がふざけた会話をして、シリアスなストーリーにアクセントを加えている。
全体に淡々として抑揚がないので、感情移入が難しい。
アレックの家族は一切出てこないし、別れも唐突過ぎた。
ローラの夫がいい。
何も気にしない気が付かない鈍感なタイプかと思ったら、ラストで驚く。
そのセリフの上手さに作品を一段上げた感じだ。
全体に流れるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の音楽が心地よく、この曲を使うことを映画化の条件に出したという原作者の気持ちが分かる。

不倫だと世間や周囲が騒ぐのは現代も同じ。
でも、恋に変わりない。
ただ結婚してるってことだけで。
人生楽しまなきゃ。
邪魔はしてくれるな。
知らぬが仏。
どうせそのうちすーっと冷めるもんだ。
あ、これ独り言です💦

今作は泣けるシーンもなかったけど、『恋におちて』は泣けます!そして
たくさんの人に観てもらいたい傑作ですよ!(^^)!
ぬーたん

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