安堵霊タラコフスキー

逢びきの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

逢びき(1945年製作の映画)
4.7
カンヌで賞を獲得したりアカデミー賞で監督賞候補になる等世界的に評価された、デヴィッド・リーンの監督としての出世作。

話としてはぶっちゃけただの不倫もので、セリア・ジョンソンのモノローグも余計かなと思える場面もあったけれども、映像の陰影や構図がまるでフリッツ・ラングが恋愛映画を撮ったように頗る良くて、最初のシーンを終盤に別の視点で繰り返すというトッド・ヘインズがキャロルで真似た構成も実に良い。(上記のモノローグもここを活かす為と思えば許容できる)

映像美によって名作たり得ている映画の好例とも言える作品であるが、監督デビューしてから間もない時期からここまで美しい表現で魅せてのけたデヴィッド・リーンはまさに天才的だとつくづく思い知らされる一品。