三四郎

遥かなる山の呼び声の三四郎のレビュー・感想・評価

遥かなる山の呼び声(1980年製作の映画)
3.5
『シェーン』も名作だったが、オマージュ作品も良い話だった。
最後、武志がパトカーを追いかけるシーンで終わるかと思いきや、判決後の電車シーンがあり、安心した。

『いいかげん馬鹿』の時も似たシーンがあったが、山田洋次監督は絶対『巴里の屋根の下』(1930)のヒロインが子供を払い退け倒すシーンに影響を受けてるはずだ。ハナ肇に迫られて追い払った後、動転していた倍賞千恵子は、息子が戯れてきた時、払い退けていた。

高倉健が草競馬で優勝した夜、倍賞千恵子が「あの子が、あんなに大きな声を出したの、初めて見たわ」と言う。これは、1943年の稲垣浩監督の『無法松の一生』において、運動会の徒競走があり、無法松が一等になった夜、吉岡夫人が無法松に言う言葉と同じだ。

探せばまだまだ名作にオマージュを捧げたシーンがいくつもあるのだろう。
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