このレビューはネタバレを含みます
巨匠と言われる3人の監督が
それぞれのニューヨークを描いたオムニバス映画。
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「ライフ・レッスン」
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:リチャード・プライス
撮影:ネストール・アルメンドロス
30点
んー。あまり好きではない。
カメラワークで誤魔化してる。
アイデアは悪くないんだろうけど、ありきたりだし当たり前だよね、と。
せっかく良い音楽で、耳に残るんだけど、
それがいい方向に働いていない。
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「ゾイのいない人生」
監督:フランシス・フォード・コッポラ
脚本:フランシス・フォード・コッポラ、ソフィア・コッポラ
撮影:ヴィットリオ・ストラーロ
75点
カメラが好きなんだなあ。「レイニーデイ イン ニューヨーク」の、あの、あたたかい光がかったカメラの演出を思い出した。後にウッディと一緒にやることとなるヴィットリオ・ストラーロのカメラがすごく好き。ニューヨークのイメージが変わる。
ストーリーとしては、ただ恵まれて裕福に育った少女の物語じゃなく、ちょっぴり寂しさが残るのが、これまたいいと感じた。
子どもだけど、寂しいと言う感情と一緒に共存してて大人びた少女に見えた。
ただ、大きな変化やグッとくるものが、そこまでなかったかもしれない。
このストーリーを描いたのは、監督の実の娘であるというのを知ったら、父に対する娘の想いと、その想いを父として形にしたコッポラ家の物語なのかもしれないと、すごくあったかさをかんじた。
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「エディプス・コンプレックス」
監督:ウッディ・アレン
脚本:ウッディ・アレン
撮影:スヴェン・ニクヴィスト
90点
やっぱりウッディは短編が得意分野なのかな。
30分で無駄なく、観客の思わない所を突いてくるあたりがすごい。
魔術師が間違えて消してしまった小うるさい母がいなくなり、突然ニューヨークの大空に出没して、空からずっと監視しだすだなんて。
誰も思いつかない。笑
「ニューヨークの人たちは変化にすぐ対応できる人種だから、2週間で慣れ始めました」とニュースキャスターが言ってて、
移民沢山受け入れてきたから、確かにそうかもしれないと思い思わず吹いてしまった。
最後は思わぬ人とくっついて、それが案外幸せだったかも、と思うウッディと、
息子の幸せを望んでいた母の最大限の愛が、大空に現れてまで誘導した、だなんてバカバカしく感じるけど、
マザコンとはこう言うことか、
なんだかんだ、その愛は悪くはないなと感じた。
でも、それがコンプレックスでもあるんだよね、というウッディの気持ちがわかった気がする。