公開日から9年目の鑑賞
原作の伊坂幸太郎が逡巡した果ての ひとつの答えなのかもしれない
女性を力でねじ伏せて無理矢理犯す 所謂レイプ その犯人への報復を
ひとつの形にしてみせた
それを裏付ける台詞
「お前は何百回も何千回もこのことで 悩んで答えをだした筈だ
その事で裁判官や警察官にとやかく 言われたくない」
レイプの現場となった
家の階段やカーテンに三面記事の切り抜き に火をつけ 灯油を撒いた床に力無く放つ
瞬く間に広がるオレンジ色の炎は
壁を黒く焦がしながらゆっくりと燃え上がる 火は過去の忌まわしい出来事と
罪人を浄化する力があるのだ
倫理を超越した 春の出した答えを
誰も攻める事は出来ない
弟をずっと見守ってきた兄も間違いではないと確信する
観客に突き付けてくる
正義とは?
家族とは?
数々の胸に響く台詞の伏線回収の
爽快さも手伝って見終わった後
この上ない幸福感に包まれた