ちろる

髪結いの亭主のちろるのレビュー・感想・評価

髪結いの亭主(1990年製作の映画)
4.3
うっとりするような美しい映像が印象的でもっと早く見ればよかった。
「ピアノレッスン」を観た時の感覚に似ていたのだけど、あの美しいピアノの奏ではやはり同じマイケル ナイマンだった。
それにしてもこのパトリス・ルコント監督はなんともないお話を芸術作品のように仕上げてしまうから驚きだ。
髪結い役のアンナ・ガリエナはたしかに美しい女優さんだけどこの作品の彼女は格別に美しく、神秘的だと思う。
少年の性の目覚め、フェロモンが匂い立つような年上の女性への憧れと妄想から美しい理想の女性との愛欲の日々と、見事なまでに男の夢の妄想を形にしているお話ですが不思議と嫌ではなかったし、むしろ
中年男の夢のお話の世界に一緒に迷い込んでしまって一緒に幸せを感じてしまうような微睡んだ映像と、美しいピアノの響き、そして主人公の踊るオリエンタルな音楽が心地よかったので突然訪れたラストに心がまだついていけていない。
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