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髪結いの亭主のmarikabraunのレビュー・感想・評価

髪結いの亭主(1990年製作の映画)
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高校生の頃、地元仙台の桜井薬局セントラルホールで汚れた血などと共に上映されてた記憶。
私がロマンチック足りないのか?柔らかな光と香り立つような美しい女は男目線で回想され、思い出は美化されるように、髪結いの亭主になりたいという少年心のまま大人になった中年男の幻想を押し付けられたような気持ち悪さがあった。
愛の表現のつもりだろうけど、君が痩せたら自殺してやる、君が妊娠するなんて考えられないずっとその身体でいて欲しい、とか言われたら私だったらブチ切れるな。夫婦だからって相手の身体まで所有物だなんて思うなよって。子供も友達も旅行も要らないふたりだけの小さなヘアサロンは楽園か。私には明るい牢獄に見えた。
愛されれば愛されるほど失う怖さと背中合わせになる、幸せの絶頂で死にたくなるマチルドの気持ちはお察しします。
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