siorinn汐鈴

髪結いの亭主のsiorinn汐鈴のレビュー・感想・評価

髪結いの亭主(1990年製作の映画)
3.7
やー、やはり美しき変態を描かせたら世界一(と思ってる、褒めてます)のパトリス・ルコント。

自分にはルコント初作品はたまたま借りてみた「ハーフ・ア・チャンス」だったかな?しかしこの「髪結いの亭主」が有名でしたか、そうでしたか…

サラッと見ただけでは理解しにくい、マチルドとアントワーヌの愛、すれ違い。温度差。

マチルドの愛はまさにタイトル通り、あなたは「髪結いの亭主」つまり「愛をくれるだけでいいの」という愛し方。昔から髪結いの亭主といえば「ヒモ」ですからね…(いい邦題だわ、これ)

アントワーヌの愛は、ロマン溢れる変態、これきっとルコントの性癖でもあるのでしょうけれど、昔の、本当に昔、子供の頃に嗅いだ香り、感じたもの、好きだったことの破片を集めて大切に宝箱にしまっておくような男性。

そして誰よりも頑固で、それをいかなる形ででも押し倒しちゃう。

マチルドもそんなアントワーヌの頑なに強い愛にほだされて一緒になる。

ただ、アントワーヌはマチルドの深い闇を埋めることはできなかったのね…
何を自分の愛の最高に持ってくるか、そこなんですよね。最後のマチルドの決断で彼女のアントワーヌに会うまでの孤独を改めて知った自分でした…

それにしても、肉感的で艶かしくてマチルド美しいわぁ…
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