タキ

007 ロシアより愛をこめて/007 危機一発のタキのレビュー・感想・評価

4.5
007シリーズ2作目。オープニングがまずカッコイイ。おなじみのガンバレルシークエンスからベリーダンスを踊る女性の体に文字を映す映像、そして「ロシアより愛をこめて」のテーマ曲と007のテーマ曲をミックスした楽曲が流れてくる。いきなりオシャレ。ストーリーもちゃんとしたシリアスなスパイものでビックリ。いやビックリするもんでもないけど監督も脚本家も1作目と一緒なのにあまりに違っててビックリした。冒頭すぐ、ボンドが!というドキドキ感、ソ連英国を巻き込んだ犯罪組織スペクターの企み。特殊装備のアタッシュケース、オリエント急行コンパートメントでの緊迫のやりとり。ヘリコプターやボートでの追尾からの逃走、爆発。まさにスパイ映画のお手本見本市。ボンドガールは4人になるんだろうか。ドクター・ノオの冒頭に出ていたシルビアが再び登場、あとジプシーの女が2人、そして上司のクレッブ大佐(実は犯罪組織スペクターの幹部)から暗号解読機を持って亡命しその際ボンドをたらし込むようにと命令されるダニエラ・ビアンキ演じるソ連の情報部員タチアナ・ロマノヴァ。いわゆるボンドガールといえば発想するのがこのタイプで敵方の美人スパイでボンドといい仲になるアレ。
スゴイ…!完璧!と思ってたらラスト近くに真顔で面白シーンぶっこんできてその勢いがまたスゴイかった。スペクターNo.1が作戦失敗したクロンスティーンを殺したことであとがなくなったNo.3ことグレッブ大佐がメイドコスでボンドとタチアナの宿泊している部屋に堂々と侵入。しれっと暗号解読機レクターを回収しようとしてタチアナに裏切られナイフ仕込みの靴でボンドを殺ろうとするんだけどもうあまりにその飛び道具では太刀打ちできなさすぎて気の毒を通り越して申し訳ないけど笑ってしまった。
スペクターの刺客、グラントがタチアナとボンドの情事のシーンをわざわざフィルムに録画しておいて心中の材料にしようとするって発想、スマホのない当時すごく新しかったんだろうね。マジックミラー越しにグレッブ大佐と撮影してるグラントがいてなかなか変態味があってすごくよかった。ボンドも寝首かかれそうな女が好きな性癖のくせに相手を異常者呼ばわりできないと思う(笑)伏線もすべてきれいに回収されてベニスの船上でかっこよく終わってもういうことなし。007シリーズの定型を作った記念すべき作品。
タキ

タキ