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キング・オブ・コメディのkuのレビュー・感想・評価

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
4.1
ロバート・デ・ニーロの狂気

内容は、ニューヨーク、スターを夢見るコメディアンの卵ルパート・パプキンは、有名コメディアンのジェリー・ラングフォードを誘拐し、強引にコネをつける。替わりにパプキンがTVショーに出演する計画を企て、早くも自分はスターになったと錯覚する。そして昔から好きだった女性リタに接近するが……というもの。

『ジョーカー』の方がまだ共感できるのではないかってくらい、主人公の狂気が凄かった。とにかく、パプキンの底なしのポジディブさ、妄想力が怖い。自分の妄想と現実が区別つかないから、妄想で起きた事が現実のことであると勘違いしてしまう。

作中でパプキンが行なった住居侵入や誘拐は犯罪なので悪い事だが、犯罪に触れない程度に自分を売り込むことも芸能界では必要なのかな〜なんて思ったり。結局、悪名は無名に勝るというか、知名度を上げることは現代において重要な気もする。

パプキンの暴走、それによるジェリー側の対応も面白かったが、それらのシーンの印象が薄くなるくらいラストシーンに驚いた。いやいや、そういう終わり方なんかい...と。オチすらもパプキンの妄想かもしれないし、はたまた現実かもしれないし、観ている人によって変わりそうであるが、私は現実だと思った。

暗い終わり方になるのかなと思っていたら、最後までコメディを貫いたストーリーで個人的には満足。映画のタイトル通りですし、これでこそキング・オブ・コメディ☺️
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