ハレルヤ

キング・オブ・コメディのハレルヤのレビュー・感想・評価

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
4.1
妄想癖の強いコメディアン志望の男が、人気司会者に認められたくて、あの手この手でストーカー行為を繰り返す。やがて行動がエスカレートしていき、誘拐監禁にまで及び、強引にテレビ出演しようとするサスペンスの傑作。

今回初めて鑑賞しましたが、やはりデ・ニーロにひれ伏した2時間弱。誰でも多かれ少なかれ妄想はすると思います。大体の人なら妄想止まりになるはずが、現実との区別がつかなくなり、歯止めが効かずに暴走していくのが本作の主人公パプキン。

妄想を妄想と分かっていないパプキンを、デ・ニーロが演技とは全く思えないほどの自然体で演じています。彼だけでなく同じく精神に病を抱えているストーカーであるマーシャのヤバさもなかなかのもの。彼女を演じたサンドラ・バーンハードも素晴らしかったですね。

あの「ジョーカー」の雛型とも言われていて、大まかなストーリーや主人公像など、確かに共通項も多くありました。本作はそこまでの大きな起伏は無く、比較的淡々としていますが、それを色々とグレードアップしたのが「ジョーカー」といった印象。

ラストの流れには驚きました。人によって捉え方が異なるであろう終わり方。ここは僕みたいに「ジョーカー」を鑑賞済みで、本作をまだ未鑑賞の人に是非確認してほしいですね。流石はスコセッシとデ・ニーロのコンビという作品でした。
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