こぅ

にがい米のこぅのレビュー・感想・評価

にがい米(1948年製作の映画)
4.1
イタリア本国で、初めて興行的に成功したとされる
ネオリアリズモ映画で、ジュゼッペ・デ・サン
ティス監督による【クライム・サスペンス】。

【ネオリアリズモ】=イタリアの新現実主義で、第二次大戦後の’45年〜’51年にかけて現れた潮流で、特徴は、戦争の影響で一時的にスタジオ撮影が不可になり、ロケーション撮影に、共産党寄りの視点から見たイタリア現代史。

タイトルからも稲作の田植えメイン映画かと思って
いたら殆どクライム・サスペンスだった。

米作地帯に出稼ぎに行く女達でごった返すトリノ駅。宝石強盗犯ワルテル(ヴィットリオ・ガスマン)は、情婦のフランチェスカ(ドリス・ダウリング)に盗んだ首飾りを預け、田植え女達の中に紛れ込ませると、逃亡した。
出稼ぎ田植え専用列車に乗り込んだフランチェスカは、乗り合わせたシルヴァーナ(シルヴァーナ・マンガーノ)に誘われ農場へ向かった…。

OPから10分間のスムースな滑り出しが完璧だ。
ここで、観る者をガッチリと引き込んでくる。
特にその内のフランチェスカとワルテルの会話〜
ワンシーンワンカットで持って行くブギを踊る
シルヴァーナ嬢(ジャケ写右側)の登場シーク
エンスは【鮮烈】だ。
(この鮮烈あってこそのラストシークエンスだ。)
その後も脚本は、多少ご都合主義でも不思議⁈と
好テンポで許せて飽きない。
2組のカップルのキャラがやがて【善悪で対立】
する上手さ、シンプルな面白さ。
終始、(脇毛すらも)魅惑的シルヴァーナ嬢の存在
が大きいのは明らかだが、、

中盤辺りの再びブギシークエンスは一番の目玉で
あろう。シルヴァーナのブギの魅力だけで無く、ひと騒動への繋げ方が上手い。
ここでは、短いカット割も印象的だった。

その本作の【売り】とされるシルヴァーナ嬢(18)は、
豊満、ムチムチ、肉感的と強く謳われ、構えて
観たのたが、、ん⁈今の日本人の感覚からしたら、
いやいやそんな事は感じないだろう。
少なくとも自分は。
当時のスリムなイタリア女性からしたらかなり
ムチムチ体型(グラマラス)って事なのだろう。


衝撃的【◯◯なラスト】強がりで強く見える女性
ほど本当は 脆い のかなぁと痛感させられる。
こぅ

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