たた

ミラーズのたたのレビュー・感想・評価

ミラーズ(2008年製作の映画)
3.4
ある登場人物の死が(死に方が)、忘れられない。
あんな悲惨で残酷で、やりきれない死に方は絶対したくない。

オバケの仕業なので現実にはあり得ないとは言え、あんな最悪な悲しい死に方は、my映画史上ワーストワンであります。

鏡の世界にいる悪いオバケが、鏡に映る自分に取り憑いて、こっちの行動をコントロールします。
鏡の中の自分が、勝手に動いて勝手に自殺しようとするんです。
どうにも止めようがない。

女性がお風呂に入ってただけなんですよ。
浴槽に浸かってほうっと一息ついてたとこなんです。
そして、鏡の中の彼女が、その様子をじっと見つめているという恐ろしさ!(本人は気付いてない)。
不意に両手を口に差し入れて、アゴを上下に裂き始める、鏡の中の彼女!

その行動はあわれにも鏡の外の本人にも反映されてしまう。

彼女はオバケの存在も何にも知らないんです。
わけの分からないまま、何の前触れもなく突然ですよ?
アゴが裂けるんです!

痛い!怖い!何?何が起こってるの!
い、痛い!
あっ、あっあばばば、うぐぇええ…

とてつもない痛みとショックと、恐怖と疑問が、頭の中に渦巻いて、そのどれも和らげる要素がないまま、助けを呼ぶことも出来ず、アゴをぶらぶらさせた惨い姿で、浴槽に沈んでいくしかないんです。

本当に、あわれでした。
悲しかった。
怖かった。

映画そのものの評価は高いとは言えませんが、このショッキングな死に様は、一生強烈に記憶に残り続けるシーンとなりました。
たた

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