滝和也

電送人間の滝和也のレビュー・感想・評価

電送人間(1960年製作の映画)
3.6
久々!東宝特撮陣が
誇る変身人間シリーズ
第二弾である…

「電送人間」

監督は福田純、特技監督はご存知、神様円谷英二監督!注目なのは主演になんと鶴田浩二。東映やくざ映画のドンが東宝にいた事を初めて知りました。更に相棒に平田昭彦、土屋嘉男と特撮レギュラー陣が固め、ヒロインには液体人間から白川由美さんが連投。この布陣に加え、電送人間役に中丸忠雄が不気味な演技で正に華を添える鉄壁の布陣です!

ストーリーは復讐譚。玉音放送が届けられた終戦の日、陸軍の金塊を盗み出そうとした軍人らを止めようとした兵曹長が逆に殺され、同じ場所にいた電気兵器の権威と生き埋めにされます。その14年後、その元軍人達に殺害予告状と旧日本軍の認識表が届けられます…。1人目が殺され、乗り出す警察、小林警部(平田昭彦)、岡崎捜査主任(土屋嘉男)。そして新聞記者桐丘(鶴田浩二)。だがその犯人は神出鬼没で霧のように消える謎の男で…。

電送人間のアイデアは蠅男の恐怖から拝借かな?こいつはリアルで、自由にテレポートできるわけでなく、装置間しかできないのが返って面白さを作ってますね。どこにも簡単に行けるわけでなく、装置をどうするかが一手間入りますし、知恵を使うわけです。また犯行後、装置まで戻らないといけないので、逃げる犯人、追う警察と言う形にスピード感ある画もつくれています(^^)また電送後の犯人が合成により、昔のブラウン管テレビの様な線が入るのは芸が細かい(笑)円谷英二のこだわりでしょうか。

キャストは鶴田浩二と平田昭彦が並ぶとやはり絵になります。二枚目2人が犯人を追う図式はなかなか良い(^^)これに白川由美の美しさが加わりますし。ただこれを超えるのは中丸忠雄の不気味さ。無表情の怖さですね。かなり心に迫る熱演で、ラストもまたいい。

昭和の香り漂う、古き良き時代の特撮作品です。そのサスペンスを楽しむもよし、出演者を楽しむも良し。楽しめますよ(^^)
滝和也

滝和也