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レック3 ジェネシスのhorahukiのレビュー・感想・評価

レック3 ジェネシス(2012年製作の映画)
3.7
『REC』シリーズの3作目。
1と2より好きかも!というよりパコプラサ監督の作品が結構ツボかもしれない!

あらすじ…
結婚式中の主人公夫婦。大きな式場で、両家の親族を大勢呼んで盛大に開催していた。そんな中、体調が悪そうな親族の1人が急に人に噛みつく。その症状が次々に感染し、結婚式場が阿鼻叫喚の地獄へと変貌する話。

前二作と同じくPOVとしてスタートする本作ですが、序盤で手持ちカメラを捨て去り、シリーズとしてPOVからの卒業を宣言するという思い切ったことをやってのけた作品。あえてなのだろうと思うのですが、本作のPOVパートは凄く見づらくて、通常の映像が際立って見やすく感じるところに、POVからの脱却に対する製作陣の強い意志を感じます。

監督と脚本のどちらの意向が反映されてるのかはわかりませんが、私的には本作は、製作陣の結婚観が色濃く反映された作品のように思いました。本筋は、ゾンビから追われる良くあるゾンビ映画なのですが、主人公たちを追い回すゾンビはほぼ全員が2人の親族。これは、鬱陶しい親族が夫婦に色々とチョッカイかけてくる現実を表してるのではないかと。結婚生活を脅かす要因は周りの親族。実体験で何か苦い思い出があったのかな〜とか考えちゃいました。

幸せいっぱいで親族も祝福ムードだったのが、式が終わりに近づくにつれ、急に豹変し牙を剥くというシチュエーションがまず象徴的。結婚生活を脅かすほどの親族からの干渉を辛い現実だと捉え、現実に安らぎや救いを与える宗教がゾンビの進行(辛い現実)を妨げるというのも。しかもこの部分は「ゾンビ=悪魔憑き」だとする『REC』の設定にも沿っているというのが丁寧。そして何よりもクライマックス、あのクソジジイが大きな役割を果たすのが最も現実を反映してるように思います。これ作った人、結婚にかなり嫌な思い出がありそう(笑)それとJASRAC的な団体にも恨み持ってそう。

あと、妻を助けると息巻いていた夫よりも妻の方が強くて、逆に助けられるのが夫側というのも(笑)チェーンソー手にするとこは最高でしたね♫カッコよくてめっちゃテンション上がりました!

かなり叩かれてる本作ですが、私的には面白かったです。惰性でPOVを続けることを拒絶した功績は大きいと思います。でもそのせいで『REC』要素が薄くなってしまっていて、そういったところが評価落としてるのかもしれませんね。

あと本作には関係ないけど、いつも不思議に思うことがあって。『REC』の1と2の間で、設定が変更されてるというレビューを良く見かけるんですけど、全く設定の変更はないと思うんだけどな〜。原因については1でしっかり示唆されてることだし。

それとクララちゃんがめっちゃ美人!!チェーンソー+ウェディングドレス+血まみれがこれ以上似合う人はいないんじゃないかってくらい美しい!誰だろ…と思って調べたらパコプラサ監督の奥さんでした(^_^;)
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