リービング・ラスベガスの作品情報・感想・評価

「リービング・ラスベガス」に投稿された感想・評価

えりみ

えりみの感想・評価

5.0
これでニコラス・ケイジのファンになったというのに今となっては・・・
アル中のおぼろげな感じにラスベガスのネオンの光が相まって,ゆっくりと壊れていくアル中の姿が印象的だった.
犬

犬の感想・評価

3.7
震え

夢の街ラスベガスで出会ったアルコール依存性の男と娼婦の束の間の恋を描いた、異色のラブストーリー

自らもアルコール依存症で、映画化決定後に自殺した作家ジョン・オブライエンの同名の自伝的小説の映画化

なかなかな2人

ネオン、雰囲気、ミュージック
なんか良かったです

終わり方もスゴい

ニコラス・ケイジがテンション高め
目が印象的です
エリザベス・シューの演技も良かった
娼婦の仕事も大変
お酒を浴びるところはスゴくいい!

アルコールの量が尋常じゃない
依存症は怖いですね
翔一

翔一の感想・評価

4.3
これは辛い
えぐいシーンも多いし、ラストはわかりきっていたことではあるけど悲しすぎる
二人はなぜこのタイミングで出会ってしまったんでしょうか…
harumi

harumiの感想・評価

3.8
ボロボロになっても人に焦がれてしまうのは、人間の強さなのか、それとも愚かな部分なのか

何気ないふたりの笑顔とか、私達って言葉とか、良かったなぁ
oyasu

oyasuの感想・評価

3.3
ニコラス・ケイジがこんな役するのか...
en

enの感想・評価

2.0
記録
映像、哀愁、どうしようもなさ、痛々しさ、音楽、全てに心揺さぶられた。かっこいい。

アル中の狂気的な演技とかプールでのシーンとかため息が出るほど美しかったけど、プレゼントあげるとことか、ただ普通に2人が横に並んで歩いてるそのフィット感みたいなのも良かったなぁ。
カラン

カランの感想・評価

5.0
アル中のニコラス・ケイジが、この世の果てから、娼婦hookerのエリザベス・シューに、You’re my angel.と呼びかける物語。ニコラス・ケイジはこの映画でアカデミー主演男優賞に輝く。『月の輝く夜に』、『ワイルドアットハート』とともに、ニコラス・ケイジの魅力が満開になっている。ショットグラスで飲むジントニックがカッコいい。エリザベス・シューも素敵である。ベガスには沢山いるだろうが、光を求めながら闇の中で生きている女。Leaving Las Vegas、「ベガスよさらば」といった感じだろうか。ラスベガスを出ても、この2人に行き場などない。初めて観た20年以上前から、折にふれて、私はこの映画のことを思い出す。






以下、映画とはたいして関係ないこと。苦悩と毒と芸術について思いついたことを書いただけ。


この映画の素晴らしいサウンドは基本的に監督のマイク・フィギスが作っており、その他はいくつかのスタンダードナンバーをSTINGが歌っている。ところで、ビル・エヴァンスというJAZZの世界で独自の世界を構築した音楽家がいた。彼は死んだ時には麻薬で歯がボロボロで、アルコール性肝硬変の状態だったそうだ。このビル・エヴァンスから麻薬と酒を取ってみて、それでも私たちの知っているビル・エヴァンスの作品が手元に変わらずに残されていると言えるのだろうか?ヘロインからコカインに変えたことで音楽のテンポの変化を指摘されているような人間の作る芸術が、addictionと無関係でいられたのだろうか?彼は、あるコンサートの前に、右手の神経にヘロインを注射してしまい右手が動かなくなってしまったので、左手だけでピアノを演奏するような人間だったのに?


エミリー・ディキンソンを引用しておこう。エミリーは、ぽつぽつと、素朴で明解な単語を並べながら、自室にこもって、至高の苦悩について、短い一生の間、詩を書き続けた詩人である。

There's a certain Slant of light,
Winter Afternoons –
That oppresses, like the Heft
Of Cathedral Tunes –
冬の午後には、
一筋の光が差す
それは、重厚な大聖堂の調べのように、
心を押しつぶす

Heavenly Hurt, it gives us –
We can find no scar,
But internal difference –
Where the Meanings, are –
至高の傷を、それは授ける
傷口は見えないが、
内面を変える
その傷には、意味が、ある

None may teach it – Any –
'Tis the seal Despair –
An imperial affliction
Sent us of the Air –
誰も教えてくれない、誰も
それは絶望の刻印で
空から降りてきた
荘厳なる苦悩

When it comes, the Landscape listens –
Shadows – hold their breath –
When it goes, 'tis like the Distance
On the look of Death –
それがやって来ると、風景は耳をそばだて
影は、息をひそめる
その去りぎわは、まるで死者の顏に浮かぶ
よそよそしさのよう


主人公のベンの哀しみは、どこから湧いて来たのか?エミリーの苦悩は誰が授けたのか?《天が与えし》Heavenly/of the Airとは何のことなのか?エミリーは、このように自分の苦悩の所在を《天が与えし》ものなのだと名指し、人間の苦悩を言語化しながら崇高な芸術の次元に到達した時、彼女の苦悩がなくなることがあったのだろうか?

ベンのアルコールはベンから苦悩を取り去ることができたのだろうか?アルコールを飲み、大量に飲み、さらに飲まずにはいられなくなり、また飲む。飲んでみて幾分かでも苦悩から解放されたのだろうか?

マルグリット・デュラスも狂気について書き、狂ったように狂気について書き、ますます作品は、名前も場所も物語も失い、ほとんど狂気そのものに変容して、狂気が与える至高の明晰さに達したとして、デュラス本人が苦悩から解放されることになったのだろうか?アルコール中毒の治療をデュラスが始めたのは、芸術と関係があったのだろうか?それともそれは出逢ってすぐに共同生活を始めたヤン・アンドレア・シュタイナーのおかげだったのだろうか?

ビル・エヴァンスの場合は、芸術があっても、ヘロインから解放されることにはならなかった。同じようにベンには苦悩だけが残されて、アル中になって、酒を飲みながら、死んでいったのだろうか。

してみると、こういうことなのかもしれない。酒も薬物も、芸術も、ごまかしなのだと。人は深い苦悩を解消することはできないが、同時に、その苦悩によって今すぐ死ぬわけでもない。この種の苦悩の最大の問題は、死ぬほどつらいが、そのつらさで人生が終わるわけではない、というところだ。思えば、アベルを殺したカインは罪の刻印を与えられたが、死を宣告されたわけでもない。逆に追放された土地で、誰もカインを傷つけたり殺したりしてはならない、と神にその生存を保証されることになった。神から彼に対する処罰を禁止された以上、処罰不可能であるが故に、誰にも解消してやることができない罪を背負って生き続けることになるカイン、それこそがエミリーやデュラスやビル・エヴァンスや、ベンの人生ということなのかもしれない。そういうわけで、今すぐ死にたくなるような苦痛をもたらすが、だからといって今すぐ死ぬことにはならない「死に至る病」の効果をdistract散らしてくれるのが、ある種の文学や音楽や中毒ということになるのかもしれない。








>|