えりみ

イップ・マン 序章のえりみのレビュー・感想・評価

イップ・マン 序章(2008年製作の映画)
4.8
「シリーズ3作一挙上映」(※既に終了)という企画を発見し、初めて利用した早稲田松竹は思った以上にきれいで席間隔も広く大きなスクリーン。フィルム上映も久しぶりの体験でテンション上がった♪

ドニーイェンの出世作といわれているこのシリーズ、確かに最高!スクリーンで観られたというのは想像以上に大きかった。ジャッキーチェンよりリーリンチェイ派なので古典武術路線なのもイイ。でもこの1本で完結してるよね。「序章」は続編が出ると分かって後からつけた邦題と思われる。
「グランド・マスター」は数年前に間違えてみたことある。あっちとは違ってイップマンその人をクローズアップしたカンフーアクション。
中国武術の街でたまに道場破りを相手にしたりして裕福に暮らしていた詠春拳の達人が日中戦争により一転した生活を送ることになりクライマックスで帝国陸軍の空手将軍と一騎打ち!その後は香港にわたってブルース・リーも育てた凄い人なんですよ~っていうエピローグで締め。
「スペシャルID 特殊身分」が実質初ドニー・イェンだったのでどっちかというと輩イメージが強かったけど、ここでは真逆の人格者キャラなんやけどこっちの方が良い♪どっちもイケるなんてさすが“宇宙最強の男”
最小限の動きで攻守一体化した詠春拳の美しさったら。
内股の立ち姿に目にも止まらぬ連続打突。後のシリーズでも話に上る1vs空手10人バトルも良かったけど、木人椿を叩く木の音とオーバーラップで使われる画がきれい。
綿花工場の従業員達が仕事しながら詠春拳を学ぶ姿も微笑ましい。

ラスボスの空手将軍に池内博之(彼って中米のハーフなんや!)、柔道経験者らしい。なんとなく納得。でも十分様になってた。日本語の台詞のある役にはちゃんと日本人をキャスティングしてるのは好感。劇中での日本人描写については香港映画なので致し方無し。それでも池内博之のキャラはかなり高潔に描かれていた。

アクション映画ではないがしろにされがちな役柄、イップマンの妻にスラリとした別嬪さん(リン・ホン)がキャスティングされていてこの後もずっと出演する。外では人格者でも子供の父親としての自覚に欠ける夫にあきれ顔の彼女がこの後ジワジワ効いてくることになるとは。
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