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イップ・マン 序章の鰯のレビュー・感想・評価

イップ・マン 序章(2008年製作の映画)
4.2


1935年、中国広東省の佛山。詠春拳の達人イップ・マンは、武術館を開くことなく度々現れる挑戦者を倒していた。しかし日中戦争が始まると、彼の生活にも変化が訪れる。そして日本軍将校の三浦は、イップ・マンが日本兵に武術を教えるよう迫るようになる。

神様仏様ドニ―様!じゃなくて「イップ師匠」といいたくなる素晴らしさ。アクションシーンがとにかく面白い。余計な演出が抑えられていて、イップ師匠の強さがよく伝わる構成になっている。1対1と1対多をうまく織り交ぜているので、アクションシーンがたくさんあっても全く飽きが来ない。また武術の指導シーンも、すげえいい顔した女性陣が前の方で武術を習っているのが何だか好き。

ストーリーもよくできていたと思う。戦いの理由づけが自然で引き込まれました。超人でなく、家族や友人に囲まれた1人の男性として描いている姿勢にも好感が持てました。彼1人がどれだけ強くても、戦況に影響を与えない。武術ができても生活が潤うわけではない。この辺りのリアリティがいい。食事のシーンも印象的ですね。
悪役の三浦にも、求道者として筋が通っているように見えて映画全体のバランスもよかったと思います。その他、イップ師匠の周囲に配された脇役のいい顔俳優が揃っていて、観ていてずっと楽しい。
子役の演技だけやや微妙で不満。
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