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戦国野郎のドントのレビュー・感想・評価

戦国野郎(1963年製作の映画)
4.2
 1963年。もうハチャメチャに面白い。武田軍の忍を抜けて逃げる男・吉丹がへんな猿顔の男に出会って荷運びの集団に紛れ込み、秘密裏に運ぶは戦国の世を左右する、織田軍行きの鉄砲300挺!な痛快時代劇。
 岡本印のパッシパシにキレる西部劇風なOPから最高、台詞回しもことごとくクール、テンポもよい意味でマンガ・アニメ的で出てくるキャラ(だいたいいつもの岡本組)も立ちまくっている。探り合い騙し合い駆け引きの縦横するお話もステキである。当時も面白かったろうが現代の人たちが観てもこのグルーヴ感は全然面白いだろうと想像できる。
 テーマ性はあるもののほんのりと薫る程度、まずは映像と台詞と音楽と編集、ドラマにアクションにキャラクターをミチミチに詰め込んでとにかくThis is 娯楽、エンタメが疾走するこの心地よさったらない。タイトルとジャケの野暮ったさで損をしている(私もスルーしていた)。岡本喜八はすごいなぁ、とつくづく感じ入るばかりである。
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