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婚期のodyssのレビュー・感想・評価

婚期(1961年製作の映画)
3.0
【女は恐ろしい】

BS録画にて。1961年の邦画。

嫁と小姑2人のバトルのお話です。見てると、女ってつくづく恐ろしいと思えてきますね。男だと口より先に手が出そうだし、そもそもこういう家からはさっさと出て行くでしょう。

主婦の京マチ子が、旧家の長男で会社経営の船越英二と結婚生活を送っています。子供はありません。舅と姑はすでに他界していますが、夫の妹二人(次女の若尾文子と三女の野添ひとみ)がまだ家に。このほかまだ学生の次男も。

次女の若尾文子は29歳、この時代ではすでに婚期を逸しかけた年齢です。見合い話もいくつか舞い込むのですが、難癖をつけて断っています。

このほか、いったん結婚したのもの離婚して自活している長女(高峰三枝子)がアパートを借りて暮らしており、妹たちの相談相手になっています。

或る日、京マチ子のところに匿名の手紙が。あなたの夫には別に女と子供がいるという内容です。実はそれが義妹たちの嫌がらせだったのですが、実は船越英二には本当に・・・

とにもかくにも女同士の戦争が続きます。船越英二は妹ふたりと妻の間に挟まれて大変そうではあるのですが、外に女を囲ったりしているので、自業自得かなとも。

このほか、女中(北林谷栄)がいます。昔からこの家に仕えているのですが、奥様と義妹たちのバトルにあきれてそろそろ暇をいただこうかと考えている。彼女の孫娘(田中三津子)が時々遊びに来るのですが、映画の最後近くで婚約者の青年を連れてきます。誠実そうでさわやかな青年で、実はこの孫娘がこの映画の登場人物の中でいちばんまともかな、と思えてきます。

1961年という時代で、舞台は東京の旧家、それなりの大きさの一軒家ですが、まだテレビも冷蔵庫もありません。一般には日本でテレビが普及したのは皇太子と美智子妃(現・天皇皇后ご夫妻)の結婚式が行われた1959年だとされていることからすると、ちょっと電化が遅れている感じですね。

ちなみにこの映画では若尾文子と野添ひとみの入浴シーンがあります。丸ごとは見えませんが、曇りガラスぞいに二人の上半身の裸体が見える。また若尾文子がウェストのサイズを測るシーンもある。さらに、別の場面では長女の高峰三枝子の入浴シーンも。結構、サービス精神に長けた映画ですね(笑)。
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