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婚期のtjZeroのレビュー・感想・評価

婚期(1961年製作の映画)
4.1
一部で”あやや”と呼ばれるなどして、最近人気が再燃している若尾文子サンの準主演作。
レトロな明治、ロマンの大正と比べるとダサく思われがちだけど、本作では”モダンな昭和”の魅力がキラキラと輝いている。
水木洋子によるイキイキとした女性たちによるセリフの応酬が光る脚本。それを洗練されたタッチで演出する吉村公三郎監督。女優たちをあざやかに彩る森英恵による華やかでありながらシックな衣装の数々。
嫁き遅れたメガネ美女を颯爽と演じる”あやや”の美しさだけでなく、姉役の高峰三枝子の嫣然さ、妹役の野添ひとみのシャキシャキとした活きの良さ、兄役の船越英二の洒脱なプレイボーイぶり、兄嫁役の京マチ子の生活に疲れたしみじみとしたおかしみ…といったようにどのキャラクターもクッキリと”立って”いる。泥臭さも停滞する所も皆無の、スマートな艶笑コメディの傑作。
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