あびる

アンダーグラウンドのあびるのレビュー・感想・評価

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)
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いつか観ようと思っていました、
これほど美しいラストはないんじゃないか、

吃りがなくなり、美しい詩で締める彼のセリフ
「苦痛と悲しみと喜びなしにはこの物語は語れない、昔あるところに国があったと、、」

マルコとナタリアが燃えながらクロのまわりをまわるシーンの切なさ、、

ユーゴスラビアは本当にずっと戦争していることがクロの人生で分かる。いまも物語は続いている。確かにその通り。

クストリッツァはこの映画でユーゴスラビアの戦争について語りきったと思えるほどすさまじい熱量だったが一昨年あたりみた新作でもあいかわらず戦争について描いていて、さらに祝祭的なごちゃごちゃが増しておりました。というか黒猫白猫がこの映画よりも後で、この映画の祝祭的表現が後のクストリッツァの作家性となっていく。僕てきにはこの映画くらいの塩梅のほうが好きで、ラストが陽気であればあるほど途中の途方もない残酷な現実が泣ける。はじまりと終わりが同じ音楽なのも良いです。
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