KnightsofOdessa

毒流のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

毒流(1916年製作の映画)
3.0
[邦題が厳つい] 60点

ハリウッド黎明期に活躍した女性監督ロイス・ウェバーのキャリアでも比較的有名な作品。毒々しい名前だが、原題"靴"の方が明らかに分かりやすい。主人公エヴァは100円ショップの売り子で、絶賛失業中でボヘミアンな生活を送っている父親を尻目に家族全員を養っている。そんな彼女の靴はボロボロで、底には大きな穴が開いている状態なのだが、買い替える金すらない。という話。"靴に穴が開いてるって?じゃあ大雨降らせるしかねえな!"というありがたい配慮の下、引くほどの雨が降るシーンでは、ビシャビシャの歩道を歩く足にクローズアップしながらトラッキングというアクロバティックさに惚れる。あと有名な割れた鏡のショットも良い。キャバレーの階段に敷いてあるカーペットを踏んで"柔らかさと滑らかさが疲れた足に染みる"って字幕が出たときに泣きたくなった。でも、ラストが中々鬼畜なので全体的な印象はそこまで。ロイス・ウェバーなら『Suspense』が好き。
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