青二歳

人情紙風船の青二歳のレビュー・感想・評価

人情紙風船(1937年製作の映画)
4.1
山中貞雄監督の遺作。この時28歳…30前でこんなベタつきのない群像劇を撮れる方があるとは。ナンセンスなドライさ、乾いた質感ながらも人間の図太さ逞しさが力強い。"人情"と聞いて湿っぽい御涙頂戴かと高を括ると痛い目にあう映画。

前進座総出演による長屋もの。長屋ものは日本におけるグランドホテルものですねぇ。
長屋の雨上がりに水たまりの大きさ!にくいセットです。そして楽しい江戸弁!
物語は髪結新三のモチーフ。出兵前の若かりし加東大介の姿も。監督山中貞雄は大陸で果て、加東大介は南方でマノクワリ歌舞伎座の座長を務めのちに復員。山中貞雄はもっと沢山の映画を撮って欲しかった。
青二歳

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