けーはち

青の稲妻のけーはちのレビュー・感想・評価

青の稲妻(2002年製作の映画)
3.3
'08北京五輪決定前後'01〜02年頃、中国・山西省が舞台の青春映画。ジャ・ジャンクー監督作品はオフィス北野も噛んでおり北野作品っぽい無軌道な若者がメインだが、それと共にアンバランスな経済成長を遂げる一方で宗教(法輪功)が相変わらず弾圧され、誰もがバスでも病院でもスパ〜ッと煙草をふかし公衆衛生は追いつかない中国描写が主役。地方都市を貫く広大無辺な幹線道路、ひしめくビル群の建設現場。景気は良いはずなのに、学も意欲もないロスジェネ若者は古びた高速バス停の待合にダラダラたむろし『パルプ・フィクション』を引用して欧米への憧れを示す。上澄みは違うし刻一刻変わるんだろうけど、その流れに取り残され救われない彼らを残酷でザラついたリアリズムが支配する。