TAK44マグナム

ゴースト・ハンターズのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ゴースト・ハンターズ(1986年製作の映画)
3.6
残された最後の武器、それは反射神経だ!


ジョン・カーペンター監督、カート・ラッセル主演という黄金コンビでおくるSFXホラーコメディ。
バスターズじゃないですよ、ハンターズですよ?
そもそもゴーストなんて出てきた?って誰もが思うでしょうけれど。

チャイナタウンを舞台に、魔術や妖術、カンフーにモンスター、そして脳筋なトラックの運ちゃんと美女という、ボンクラな要素ばかりを見事にチャンポンしまくっております!
これが「ニューヨーク1997」や「遊星からの物体X」のカーペンター?
あのスネーク・プリスキン?
と目を疑うほど180度違い、徹底的に娯楽方向に振った作風で、あの2作のダウナーな雰囲気を想像してしまうと面食らうことでしょう。それほど、バカバカしい。
でも、面白い。

宇宙征服を企む悪の魔王は、東方の神の怒りに触れて肉体を失っていました。
東方の神が「美しい緑色の瞳」が好みだと知った魔王は、たまたまアメリカにやってきた緑の瞳をもつチャイナ美女を誘拐します。
東方の神にまったく敵わないのに宇宙征服なんて出来るのかよく分からんのですが、とにかくその美女が主人公ジョンの友人の婚約者だったことから、ただのトラックドライバーであるにも関わらず、ジョンは強大な敵と戦うはめになってしまうのでした。

変な柄のタンクトップ一丁で戦うマッチョなカート・ラッセル!
スキルは反射神経と度胸のよさ。
活躍してそうで、よくよく思うと全然活躍してないような気もするんですけれど(相棒のデニス・ダンのほうがカンフー出来るので強い)、ここぞという場面では主人公パワーを発揮してくれる頼れるバカ!
いいですねえ、このアメリカンなキャラクター!
ギャグも若干滑りがちなのがまた良い!

節操もなくヘンテコなキャラが次々と出てくるのが楽しいのですが、なんといっても敵の三人組が出色すぎですよ。
どいつも顔面力が半端なくストロンゲスト!
登場するとき電撃をロープみたいにして伝って降りてきたり、それまで無敵の強さだったのに最後はアホすぎるやられ方だったり、本当にどうしようもなくキャラが立っています!
何故か身体が風船みたいに膨らんで○○したり、意味は分かりませんがとにかくインパクトだけは掃いて捨てるほどあります!
もう、こいつらだけでも必見。

あと、あのアル・レオンがシレッと出ています!
アル・レオンと言えば、色々なアクション映画で噛ませ犬的キャラばかりを演じている、その道(どの道だからさっぱりですが)のスペシャリストじゃないですか!
やっぱり出たか!って感じで、アル・レオンがいるとなんだか安心できますね。
最初は意外と強いのに結局は簡単に倒されるのも定番で、本作でもその持ち味をいかんなく発揮しておりました。

あとはそうですねえ・・・「セックス・アンド・ザ・シティ」のエロ担当であったキム・キャトラルが若くてキレイ。
どうして戦いに加わるのか分からんような、なんだかテキトーな役でしたけど。
よく知らん女優さんですが、誘拐されるチャイナ美女もエキゾチックで魅力的でしたな。
ハーフなのかな?

冒頭の場面とラストが整合性あるようであんまり無いのも謎です。
そんなにものすごい爆発おきた?
なんでジャックが手配されているのかもよく分かりません。
だって、警察に通報もしないで、戦いは秘密裏に終わったはず?
ジャックが関与しているなんて、いつ知られたんでしょうかね?
そのジャックを庇うエッグ・シェンも、2人にそこまで接点が無かっただけに不思議に思えちゃいましたよ。


しかし、宇宙征服をしようと企むほどの魔王なのに、なにこの呆気なさは・・・そんなんで死んだのかい!?
あんた、肉体取り戻さなかったほうが良かったんちゃうのか(汗)

最後の最後まで滑りっぱなしの99分、たまにはこんなカーペンターもどうですか?
おもちゃ箱をひっくり返したように幼稚な映画ですけれど、反射神経がいかに大事かを教えてくれる、これぞ娯楽作ですよ。
格好いい電撃、そしてギャグにしかなっていないワイヤーアクションを見たい時のお供に、8割がたぐらいオススメいたします!


セル・ブルーレイにて