YuukiImazu

ザ・ロードのYuukiImazuのレビュー・感想・評価

ザ・ロード(2009年製作の映画)
3.3
文明が崩壊した終末世界で、父と子が暖かい地を求め歩み続ける、ロードムービー的作品。

死んでしまった、荒廃した世界では、人間性を捨て去ることが生き残る術のようや。生存のためとは言え、殺人を繰り返し、タブーを犯す人喰い集団が怖いね。ゾンビみたいに、人が人肉を頬張る不快な描写を取り入れたら、もっと良かったのにな、とは思う。まぁその一方で、主人公の親子は人肉には手を出さず、人としての一線は絶対に越えはしない。

何度も彼らが口にする、『火を運ぶ』という言葉は、どんなに苦境に陥ろうとも、人間に備わる『善の意識』を絶やさないということなんやろな。そして父は子に、生きていくことの厳しさと人間の美徳を伝えてるんちゃうやろか。神が人間に目を背けた、人間の善意は風前の灯火状態の、絶望と静寂の世界で、それは燦然と輝いてるなぁ、終盤は切ないなぁ。

映像表現として、映画はいまいちパンチがなく、薄い印象しか残らんから、ぜひ原作を。