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ザ・ロードのGreenTのレビュー・感想・評価

ザ・ロード(2009年製作の映画)
3.0
気候変動が現実になってきた今、怖いですね~この映画!!

ヴィゴ・モーテンセンが演じる父と、コディ・スミット=マクフィーが演じる息子が、アポカリプス後のアメリカを、ホームレスのように彷徨っているところから始まります。途中何度か地震が起こるので、なんか自然災害で地球が崩壊したようなんだけど、なにが起こったのかは良くわからない。

父親の回想シーンで、奥さんは絶望して自殺したことがわかる。奥さんはシャーリーズ・セロンが演じているんだけど、こんときのセリフが「奴らはやってくる。私をレイプし、息子をレイプし、私たち全員を殺す」なんだけど、ここが一番怖かった。要するに、弱肉強食の世界になっちゃって、凶暴なヤツが食料などを奪うために襲ってくる。警察なんかいないし、そりゃ絶望するよね~!!

しかも、人間同士殺し合って、人肉食うような世の中になっているから、他の人間に会っても、「ああ、仲間がいて良かった」とはならない。

そんな中で、まだ子供の息子を連れて、父親はなんとか海岸沿いに行こうとする。なんか、そっちの方が暖かいし、暮らしやすいようなのだが。

この道中のボロボロになった町や家や、セットがすごい良く出来ていて絶望的。私なら自殺するだろうなあ。自分で死ぬ勇気はないけど、本当に後がないとなったら、死ぬのも怖くなくなるかな。

こういう世の中で、息子だけはヒューマニティを持ち続けている。”bad guy” になりたくない、人間を食べるようなことはしたくない、人を殺したり、人から盗んだりしたくない、困っている人を助けたい、って言って、どんどんヒューマニティを失くしていく父親を、ギリギリ人間らしくしているようなんだけど・・・・・。

私が年を取ってビターになったせいか、この設定がウソ臭いなあって思った。あんなに飢えて、寒くてボロボロで、そんな風になれるわけないじゃんって思う。まあ、そういう徳が高い人もどっかにはいるし、そういう人を描いてるんだ!と言うならそれもありですが、私には「飢えたこともなく、寒くて眠れない夜を過ごしたこともない人が考えるヒューマニティ」って感じがした。

あと、父親が矢で撃たれるシーンもちょっと「?」。だって撃った人隠れているじゃない。あの状況で攻撃して来るとは思えない。通り過ぎてさっさといなくなってくれるのを待つと思う。

しかも、足を撃たれた父親は、消毒してホッチキスで傷口を留め、ガムテープでぐるぐる巻いているんだけど、なんでそんな都合良くホッチキスとか見つかるの?って思った。

ネタバレはコメント欄で!
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