ショウコ

ザ・ロードのショウコのレビュー・感想・評価

ザ・ロード(2009年製作の映画)
3.3
喰うか喰われるか(カニバル的な意味で🍗)の終末世界で無知な息子にパパがモラルを教えていくロードムービー。なぜ終末を迎えたのかは示されないんですが、植物すらまともに生えなくなってしまったので食べ物の生産が出来ない。よって人間は、同じ人間を食べる事で腹を満たしている🍴

食ってる最中の描写は無いものの食い散らかされた直後のホヤホヤ残飯は出てくるわ、地下で「飼育されてる人間達」は現れるわでなかなかエグい。俺たちはなんでも喰うぜ?と言って息子をチラ見→片っぽの口角を薄く上げる所なんて地味だけどめちゃくちゃゾワっとします💮

恐らく原作者は、人間の本質は野蛮で暴力的で醜いものだと本気で考えてるんじゃないでしょうか。それを抑え込むものこそがモラル…って事なんですがこちらの方は結構浅め。だって何かにつけパパが教えてくれるのは「人間を喰う=悪しき人」「喰わない=善き人」の二局論だけなんだもの…。善と悪にバッサリ切り分けてしまう基準の付け方はいかにもキリスト教文化らしいですね

実際、喰う人たちは北斗の拳のチンピラみたいに描かれていて人間狩りを楽しんでる風でもあります。よく覚えてないけど多分ヒャッハーって言ってた気がする🤔




画面はほとんど無彩色。でも決して地味なわけではなく、立ち枯れの木や山火事などむしろ派手さすらある

ただこの世界を信じさせてくれるかってのは別問題で。まず母親の腹に居た息子が10歳ぐらいにまで成長できた理由が気になりすぎる!襲われてた母子もどうやって生きてきたんだろう?まともなコミュニティのひとつも出て来ないし、まるで10年後にワープさせた様な強引さを感じた。道徳一辺倒でサバイバル術を教えないパパにもモヤモヤ💭あれじゃいくら聖人でもすぐ野垂れ死んじゃうし本末転倒っすよ…

ひたすら寒さに凍えてたしホコリっぽいので、観た後に入るお風呂は幸せに感じられると思います。髪洗ってる時なんてお湯に対する感謝で泣きそうになったもんね
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