『猫の恩返し』の劇場公開時に同時上映されたらしい短編集。『episode2』となっているが、1はテレビの特番で流れたらしく、今は観る手段が無さそう。別に連続ものでもないので2から観ても問題なかった。
“スタジオギブリ”という架空のアニメスタジオの日常を描いていて、同僚とお昼を食べに行く話、職場での雑談から初恋の思い出を回想する話など、ほのぼのとしたエピソードが連なっている（登場人物がめちゃくちゃに踊り狂う謎時間もあるが、これも結構好き）。
面白いのが、エピソードごとに画風が全く異なるところで、キャラクターデザインはいしいひさいちによるシンプルなもので統一されているんだけど、CGっぽいヌルヌル描画や水彩のような優しいタッチ、セル画のシャープな感じやペンで殴り書きしたようなラフな絵など、話が進むたびにガラッとルックが変わるのが楽しかった。
短編ということで肩の力を抜いて好き勝手やってると思われるが、その型にはまらない何でもありなところにアニメーションの楽しさの真髄がある気がして、個人的には『猫の恩返し』より面白かった。エピソード1も機会があったら観てみたい。
(2022.173)
