オトマイム

まわり道のオトマイムのレビュー・感想・評価

まわり道(1974年製作の映画)
3.8
これは変、変な作品。ブレーメンの音楽隊を思わせる奇妙なロードムービーで夢に出てきそう、そしてきっと寝起きにどんよりする。だってうんざりするほど暗い〜〜ヴェンダース監督はこの頃鬱状態だったり無気力だったりしたんだろうか、そんな閉塞感を感じる。

ヴェンダース作品を観るとドイツ語の美しさにうっとりする。そしてどこか胸の奥深くをキュッとつねられるような感覚を覚える。基本的には大好き、しかし…いくら何でもこれは覇気がなさすぎ。俳優の魅力や画の美しさで芸術性は高いけれども、同じ脚本で日本で撮ったら目も当てられないのじゃないか?

これがデビュー作のナスターシャ・キンスキーはその登場シーンから釘付けになる妖艶な美しさ。なんと撮影時13歳。その目ヂカラと年齢に似合わない色気は悲劇的にすら感じる。

あんまり褒めてないみたいだけど他にいっぱい傑作がある監督だから、つい辛口になっちゃいました。でも嫌いじゃないんですよ。変だけどまた観たいような変な作品。(⁈)

ロードムービー第2作