菩薩

ひとりで生きるの菩薩のレビュー・感想・評価

ひとりで生きる(1991年製作の映画)
4.7
何やら「もん!」をつければ某公共放送の教育的お料理番組みたいなタイトルですが、何一つ美味しそうな食べ物は出てきませんし、刃物の使いかも色々間違えております。前作の守護天使が最後にあんな事になってしまったわけで、二代目守護天使として妹のワーリャが就任、ちょっとばかり成長したワレルカとあんな事やこんな事、要するにあれだ、SEXとかします。相変わらずの閉塞感と絶望感の中で「大人になる」を模索している様な感じですが、前作以上に斬新なイメージの挿入が続きます。解体される豚さん、輪姦される少女、堕胎の血(?)で染まる洗面器、水溜りに寝そべる狂人、食肉加工される野良犬、失神する青年に小便浴びせるババア、極め付けが最終盤の、火をつけられ逃げ惑うネズミ、からの悪魔的な一連の流れ、そこだけ切り取れば完全にホラー。悪運もついに尽きたロシアのアントワーヌ・ドワネルの青春はあまりにも冷たく、あまりにも薄汚れている。ロシア怖い、ロシア寒い、ロシア、ロシア、ロシア…(ヒロシですみたいになっちまった)。
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