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それでもボクはやってないのKKのレビュー・感想・評価

それでもボクはやってない(2007年製作の映画)
3.9
初めてこの作品を見たのは中学生か、高校生、随分前だったが、凄く衝撃を受けたのは覚えてる。
初めて見た時に、裁判は、「真実が何かを決める」のではなく「真実だと思われるものを決める」ものだと気付いたのを今でもよく覚えている。
それまでは、裁判官とか、警察とかは全て正しいみたいに思ってたけど、彼らはみんな「正しいと思うことをやってる」だけなんだと思った。
冤罪とか、警察官の横暴な態度とか、その職業が正しいと思い込んでるが故の間違いってあると思う。
だからこそ、自分の身は自分で守らないとなぁと思う。多分自分が同じ状況になったらそらもうパニックで頭真っ白になると思うけど、それでも自分を守るためには考えて動かなきゃならない。

改めてこの映画を見て感じたのは、裁判てこんな不確定なものなのかって思った。殺人事件とか、大きな事件だったら物的証拠とかあるんだろうけど、こういう痴漢事件とか、証拠のない事件なんて沢山あると思う。
それを判断するのに、あんなほぼ捏造されたような陳述書や、時間が経てば経つほど曖昧になっていく人の記憶のみを頼りにするって相当困難なこと。
それなのに、検事や警察の嘘や隠蔽があったら勝てるものも勝てなくなる。
今はどうなってるか知らないけど、多分この時よりは変わっていると思いたいけど、もしこんなことが行われてるとしたら凄く怖いな。

この映画では、検察官、警官、裁判官が悪者チックに描かれすぎてるとも思ったけど、実際はどうなんだろう。木村拓哉の『HERO』みたいな検事はほぼいないだろうし、小さな事件に全てを掛けてくれる弁護士もどれだけいるのか知らないけど、この映画をみると、自分だったらどうしようってことを凄く考えさせられる。

若干気になったのは、わざとらしいというか、言わされてる感のあるセリフがあったと思ったとこかな。自分だけかも知んないけど、その役そんな事言わなくない?なんかいい事言ってるわーみたいなシーンで違和感感じちゃったんだよなー
細すぎるとも思ったけど、好きな作品だからこそちょっと気になってしまった
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