ありのままがなんだったかもわからなくなる。だんだん、本当のことがどれだかわからなくなってくる。
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本当は本当じゃなくなって、本当じゃないことは本当になる。こんなにおかしなことってある?でもそれは作られたお話でもなく、実際に私たちのすぐ近くでもよく起きる。
世には必死に”損をしないひと”になるための情報があふれている(さいきん「○○になるための600の習慣」なんて本があるし正気じゃない)。だけど結局、おなじことを言ってもおなじことをしても、得をするひとと損をするひとがいる。神輿をかつぎつづけなければいけないひとがいる。ひとには多面性があるのにその面が自分自身と認められてしまう。恐怖だ。
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すごくこわい映画だった。わたしだったらすぐに折れてやってないことを認めてお金を払うだろう。
ラストのどんより空が日本の闇だ。あの雲の厚さを突き抜けるほどタフじゃなければ、こんな世界は生きていけないのかもしれない。人生は、誰かに任せてたらあっという間に乗っ取られてしまう。