エンポリオ

それでもボクはやってないのエンポリオのネタバレレビュー・内容・結末

それでもボクはやってない(2007年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

裁かれるのは犯人ではなく、被告人だ。
満員電車で痴漢に間違われ現行犯逮捕されたフリーターの徹平。友人や母、弁護団の応援を受け濡れ衣の罪を晴らそうとするが。
全体として、長めの教則VTRという印象だった。映画作品として面白いかどうかは別として、特に男性は観ておくべき映画であると感じた。
冒頭スクリーンに映される言葉から、物語の終わりに至るまで作品のスタンスが明示され、徹底していたために広がりを持たせるのは無意味とも思えるが、これは痴漢に限った話では決してないと言えはしないだろうか。本人が知っている真相、事実も権力の前では通用しない、ことの方が多い。証明できない限り、私たちは被告という立場から抜け出すことは出来ない。
自然と感情移入してしまう物語ではあったが、ふと、徹平が真実を語っているのかどうかなど、私たちにも分かりはしないなと思えた。終盤にかけて、このような仕掛けが待っていたら、作品としても印象的なものになっていたかもしれない。
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