垂直落下式サミング

エルム街の悪夢の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

エルム街の悪夢(2010年製作の映画)
2.0
幼児連続殺人事件の容疑者フレッド・クルーガーは無実を主張するも、何の証拠もないまま親たちによって生きたまま火あぶりにされてしまう。数年後、子供たちの悪夢のなかにフレディが現れ、恐ろしい悲劇が始まる。名作ホラーのリメイク。
私はリメイクやリブートも、基本的には公開順にオリジナルシリーズの続編として数えているので、本作は『エルム街の悪夢』の第九作目と位置付けることにする。
本作では、フレディの変質性が拡大解釈されており、連続児童殺害事件の容疑者だった彼が精神鑑定の結果、裁判により無罪放免となったことに納得のいかない遺族達により、住処ごと焼き殺されてしまうところまで、ストーリーのなかでしっかりと描いている。だが補足説明されればいいかと言えばそうでもないし、夜の場面が暗すぎて何が起こっているのかわかり難いため、イライラしてしまった。
今回、フレディを演じるジャッキー・アール・ヘイリーは、ロバート・イングランドに比べてやせ形で目が小さいので、焼け爛れた顔のメイクをすると暗がりのなかでは表情を読み取れない。ここをもって、新しいかたちの怖さを打ち出していると評価することはできるが、やはり歯を見せて笑わないフレディには親しみがわかない。
一番残念なのは、ナンシー役のルーニー・マーラの寝間着姿を出し渋ること。ケチくさいことしてんじゃねえよ。終盤でようやくロリータチックな服装になってくれるが、エルム街のお約束であるパジャマなどのナイトウェア姿での戦いは描かれないのである。ほんとダメだね、まったく、そういうトコロてんでわかってないよ。パジャマも見せない、腹チラもさせない、殺しもしないとかさ、ルーニーガチ恋勢舐めてんの?
この映画はスリラーよりもアクションに重きを置き過ぎる。マイケル・ベイ製作の嫌味なところが全面に出てしまった悪い例。