【一言で言うと】
「労働への“奏で”」
[あらすじ]
夢見がちで内向的な少年サーシャはバイオリンが得意。ある日のバイオリン教室へと行く道で、少年たちに囲まれ脅かされていたサーシャを、整地作業をする赤いロードローラー運転手セルゲイが助ける。やがて二人は仲良くなり、共に友情を築いていくが...。
最近タルコフスキー作品のDVDを全作買ったので、まずは初期作をと思い鑑賞。
ちなみにタルコフスキー作品はこれまで『惑星ソラリス』しか観ておらず、自分の中では理解不可能なタイプの作品しか撮らないような監督かなって思ってましたが、意外と初期作はこんなほのぼのとする作品を撮ってたんですね😅...
とにかくサーシャとセルゲイの友情にただただ優しい気持ちになった☺️
ローラーの運転を教えるセルゲイもだし、好きな女の子にリンゴを恥ずかしげに渡すサーシャなんかもう『ベルファスト』の主人公と同じくらい微笑ましかったです。
それに46分という短さながらも映像表現の“独自性”はちゃんと確立されていますし、鏡や水の反射を使ったシーンなんか卒業作品とは思えないほどのクオリティの高さ。
こっからどんどん進化していくと思うと...やはりある意味貴重な作品なのではと思いますね🤔
とにかく淡々としたストーリーながらも、彼の驚異的な映像表現の“片鱗”を垣間見える一本でした。
鉄球でビルを倒壊する様子を嬉しそうな顔で見るサーシャ少年のシーン然り、所々“労働=正義”のような描かれ方が見えてしまうのが少々気になる所ではありましたが(^◇^;)...まぁそれを“正義”と取るか“意義”と取るかで大分変わってくるとは思うけども(ー ー;)
ストーリーは正直普通すぎて物足りなさは感じるものの、タルコフスキーの“初期微動”を感じ取れただけでも充分価値がある今作。
にしてもデビュー作にしてはメチャクチャ出来栄えが良すぎるよな(・・;)...しかもこれで大学の“卒業作品”レベルなんだから尚更恐ろしい😱...