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女は二度生まれるのshuuheyのレビュー・感想・評価

女は二度生まれる(1961年製作の映画)
3.8
画面又は空間の仕切りとして、手前に物を配置したり襖で別けたりする多種多様なアイデアが面白い。後処理で分割してないから空間のリアリティが増す。奥の人物にフォーカスするために店の内装を利用する目線の動かし方も天才的。
操を守ることを言い付けてきた旦那の訃報を聞いた瞬間、今から枕を交わす相手がその場に居て、彼女の感情が大きく揺らぎ泣いてしまうカット。恐ろしかった。全ショット構図は素晴らしかったと思うけど、彼女の貞操が緩いことの罪を見たかった。当時と現代、仕事や価値観の違いがあるから仕方ないとも思う。なるほど川島雄三はそんな女たちの人生に深く入ることなく時に冷めた視線で見つめるところに魅力があるんだな。
最後、到着した駅の前に停まっていたバスのナンバープレートが2017だったから、おっ、と思った。
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