超空間コベ

フェリーニのローマの超空間コベのレビュー・感想・評価

フェリーニのローマ(1972年製作の映画)
4.0
現在でもローマは都市整備・美化がなかなか進まないのだとか。
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』の解説でも言ってましたね。
そんな賑々雑然としたローマという都市を、
戦時中⇔70年代と行ったり来たりしながら捉えた、
記録映像風の作品…と言って良いのかな?

フェリーニ作品、『道』は合わなくて途中でヤメたんだけど、
『8 1/2』を観て、
「ああ、フェリーニはフィーリングで観ればイイんだな♪」
と、気楽に観られる娯楽作品だと解って(?)からは
楽しめる様になってきたかな。

戦時中パートの方に登場する、白いスーツでバチッとキメた
マツジュン似の美青年が、ここではやたら浮いてる。
何かの象徴?なのかも知れないね。

町中の人間が全部出て来てるんじゃないか?と思われる様な、
カフェテラスでの食事中に、いきなり立ち上がって歌い出す幼女。

♪さあ大変だ 妹が犯される♪
♪さあ大変だ 弟も犯される♪
♪さあ大変だ おじいさんも犯される♪
♪さあ大変だ 義弟も犯される♪

そして、フェリーニ監督お得意の娼館シーン。
こう言ってしまっては失礼ながら…。路地裏の場末娼館と、高級娼館、
接待嬢のレベルが全く変わりません(笑)。肉感重視!
ていうかコレ、おんなじヒトらの使い回しちゃうん!?☆

70年代パートの、ローマ外環道路のシーンが面白かった。
高速道路といってるけど、舗装も不完全で、路面は雨でドロッドロのビッチャビチャ。
手押しのリヤカーがいたり、トラックの荷台で傘さして座ってるオジさんがいたり、果ては戦車まで!(笑)
沿線にたたずむヒッピーやゴロツキ、ヒッチハイカーからデモ行進まで。自動車専用道路ちゃうんかい?
そして、それらをクレーン車で撮影する、我らが監督。
…え?あれって全部、セット撮影やったん!?

クライマックスの(←?どこにもそんなシーンは無いけどw)、
教会ファッションショー。
―――神々しき、小林幸子の御姿に涙せよ!☆
かすかに口元を「ニヤッ」と歪めてるのが良かった。(笑)

呆気に取られてボーッと観てる間に、バイク軍団は走り去って行きましたとさ。
おしまい。♪
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