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革命前夜のooospemのレビュー・感想・評価

革命前夜(1964年製作の映画)
4.7
ハッハー最高!コッテコテのこじらせ映画!劇中で『女は女である』を観に行くシーン、アンナカリーナの魅力を語らせるシーンがあることから当時のベルトルッチがゴダールに傾倒してたことは間違いないし、叔母ジーナを映す舐めるようなカメラワークからも当時妻であった彼女への思い入れが感じられる。ゴダールにおける当時の妻アンナカリーナへの愛ダダ漏れっぷりと完全にリンク。

ブルジョワ家庭に生まれ育ち、それなりに教養を積んでコミュニストとして“何か”を目指すも行き詰まりを悟り、結局ブルジョワの安泰退屈な人生に戻ってゆくしかないと諦念をもつに至るある青年の話。ジーナとの関係も、自分の信念も、社会においては思うようにいかない。ブルジョワの地位に守られた夢見がちな人生観。この気持ちが分かる現代日本人がどのくらいいるのか純粋に気になるところ……実際、私はすごくよく分かるから。守られた将来、こちらが動かなくても与えられるもの、守られたからこその無知と、なんとなく革命を望む気持ち。打破できるほどの熱量の無さ。永遠に革命“前夜”にいるような人生。これは悪口ではなくて、わりかし有難いことで、こうして呑気に映画を楽しむ余裕もあるのですが (劇中の彼にとってはそれが社会的討論になるなんでしょう)、ベルトルッチの映画においてはバカめ、と言われんばかりのSっ気があって爆笑してしまう。