緑雨

ラブ・アクチュアリーの緑雨のレビュー・感想・評価

ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)
5.0
親友の花嫁に対する秘めた想いを、あろうことか本人に知られてしまい、彼女をひとり残した部屋に戻るべきか戻らざるべきか、道端で煩悶する男。

信じていた夫のまさかの裏切りを悟ったことにショックを受けた姿を子供たちに見せるわけにもいかず、ひとり隣室で涙を流す女。

「一秒待って」と言い残し階段の影に隠れて、想いが成就した喜びを全身で表現する女。

・・・等々。誰でも自身にも思い当たる、他人には見せられない、本当の自分をさらけだす姿。そんな繊細な描写の数々に、苦笑いしながら幸せな気持ちで共感してしまう。ビル・ナイ、ローワン・アトキンソンが受け持つコメディ部分もとっても自然で嫌味なく笑えることができる。少しずつ重なりあった、並行するストーリーが、クライマックスのクリスマス演劇会で一堂に会する展開も、群像劇の定番ではあるもののやはり盛り上がる。リチャード・カーチスという人は優れた脚本家なのだなあ、と。
緑雨

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