30回受験に失敗しました、どうもわたくし、椿三十浪と申します。
\ツクテ-ン/
最近寒くなってきたので、ちょっとばかり寒さを加速させておきました。
・あらすじ
薄暗い社殿で密議をこらしていた9人の若侍。上役を告発するも逆に窮地に陥っていた。それを図らずも聞いていた浪人は、権謀に疎い彼らに同情し一肌脱ぐことに…。
かつて彼ほどに日本刀が似合う男を見たことがありません。度肝を抜かれました。本当にカッコいい。どこか気怠い、太陽を嫌っているような目つき。立ち振る舞い。決して多くは語らないが、その内面には確かに強い芯を持っている。それがいい。椿三十郎、最強でした。
この映画で描かれている椿三十郎は、鞘に入らない侍、いわゆる「抜き身」というやつ。礼なんか知らん!勝負至上主義!という感じでしょうか。誰に迎合することもない、一匹狼のような存在です。
それと対照的に描かれているのは、城代の家来たち。礼節を重んじる従順な忠臣です。"鞘に入っている"侍たち。
この対比も魅力的でした。
何より良かったのは、どこからともなく現れ、バックグラウンドが何も描かれていないにも関わらず、椿三十郎という男に深い味を出させた、三船敏郎の演技だったと思います。観ている側が勝手に椿三十郎自身の人生を想像してしまうんです。きっと幾つもの修羅場を乗り越えて来たんだろう、とか考えちゃう訳です。本当に凄かった!
とにかく椿三十郎が賢いです。室戸の手強さも素晴らしかったです。
黒澤映画では七人の侍に次いで好きな作品になりました。