やま

椿三十郎のやまのレビュー・感想・評価

椿三十郎(1962年製作の映画)
4.2
言うことなしに面白い。
エンタメ要素ありまくりの痛快時代劇といった感じ。

ある一家のお家騒動を、椿三十郎が解決しようと奔走するといったストーリー。
冷静に判断して行動する椿三十郎に対して、仲間の加山雄三たちは思い立ったら行動といった感じで、バラバラなチームワーク。それが、ドラマ的になったりだとか、笑いのシーンに使われたりだとかいい感じ。椿を川に流す作戦のくだりだったりも良かった。シンプルに面白い。

床下に隠れた武士たちがひょっこりと顔を出していくシーンなんかを、音楽にハメたりしてて、遊び心もある。黒澤監督って音楽でも我々を楽しませて来るな〜って毎度思います。

女性陣がまたイライラする。こんな危険な状況なのになんで、のほほーんとしてるんだ。それに加えて、椿三十郎に人を切るなと伝えたりだとか。彼が踏み台になったりだとか。大声出したりだとか。となりに敵がいるのに、流石にそれはないだろってぐらい笑 けどあのおばさんの言うことが実は椿には刺さってるわけなのである。

鞘にしまってある刀になれと。

ストーリーばかりに目がいってしまった感じだったけれど、映像もやっぱり面白い。
殺陣のシーンもいいんだけど、終盤にかけて面白い。菊井が崩れ落ち、椿が落ちて、川に流れるあのシーン良かった。

血しぶき出る有名なシーンもあったりと、記憶に残る映像が多い。こういう単純に面白いと思える映画が黒澤監督の映画だなと感じる。
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