そのじつ

椿三十郎のそのじつのネタバレレビュー・内容・結末

椿三十郎(1962年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

もうミフネを見るだけで歓喜の震えが走る!なんだこの存在感!なんだこの格好良さ!

懐手で肩をいからせ、擦り切れた両袖を風になびかせ歩く、この重厚さ。
声の出し方、「馬鹿野郎!」の一喝の迫力だけでない軽やかさ。

狡猾な権力者より危なっかしい青二才たちを選ぶ、彼の生き様もカッコいい。
褒められて憮然とする無骨さ、抜身の刀のような危険さ(迷いなく一瞬で十数人を殺めてしまう)まで、惚れずにおれない。

ミフネ以外の役者も、彼の引き立て役などでなく、それぞれの役を全うしていて素晴らしい。

有名なクライマックスの決闘が見たくて選んだが、日本の時代劇が最高に輝かしかった時代を堪能した。
ラストシーンの音楽までカッコいい。
オールタイムベスト入り。

仲代達矢の酷薄狡猾な武士役ぶりにもハッとした。
眉のない真田さん(宇宙戦艦ヤマト)みたいなコワモテで、奇妙な存在感を放っている。
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