まいこ

椿三十郎のまいこのレビュー・感想・評価

椿三十郎(1962年製作の映画)
4.2
あなたは少しギラギラし過ぎてますね。鞘に入っていない抜き身みたいに。でも本当にいい刀はちゃんと鞘に入ってるものですよ

やってしまった。『用心棒』より先に観てしまった。『用心棒』の続編とされている本作では三船演じる浪人・椿三十郎が上役の不正を田中邦衛・加山雄三を初めとする若侍たちと共に暴く痛快アクション時代劇。前作と比較して画的に三十郎が中心に、若侍たちが囲い、よりいっそう彼の凄みを醸し出すような構図が多い。椿故の紅一点ならぬ黒白一点。個人的に多くの登場人物がいればいるほど三船は輝くんじゃないかなぁ。ユーモアと機転の良さがパワーアップしていて、これを観て三船もとい椿三十郎に惚れない人っているの?🙄と純粋に疑問を持った。殺陣も片っ端から斬り倒していく無双感とスマートさ、哀愁漂う後ろ姿もなんだこのカッコ良さ異次元級やん……。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のトムハ演じるマックスと同じくらい好き。今度から好きな男性のタイプは「椿三十郎です♡♡」って答えてもいいですか?🙄本当に本当に関係ないんですけど三船様の得意料理は「シュークリーム」だそうです。そして完全に沼へ突入したのでゆっくりじわじわと志村さん出演映画と共に鑑賞を推し進めていきます。おすすめがあったら教えて下さい。

他の黒澤映画同様に撮影秘話が興味深く、裏でそんなことがあったのかと思うとより作品に親近感が湧いてしまった。時代劇って全然堅苦しいものじゃないんだな、と、より興味が湧いたのでもっと観よう。『用心棒』の後に書いているレビューだけど、こっちが動的な娯楽さが全面で、あっちは静的なハードボイルドさが強いと思う。

黒白の椿は映えるし(実際の椿に黒塗料を塗ったとしても)、襖男はドラえもんかよと一人で突っ込んでしまったし、志村さんは目の下病みメイクみたいだし、夫人と娘の間に流れる空気が独特すぎて笑ったし、それに対する三十郎が可愛いし、ラストシーンは驚愕で後々多方面に影響を与えたりと、キャラクターの色が濃すぎる。もーーーとにかく面白すぎた。

こいつは俺といっしょで抜き身だ。でもな、本当にいい刀は鞘に入ってるもんだ。お前らもおとなしく鞘に入ってろよ!
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