2021年1月2日
『街角 桃色の店』 1940年制作
監督、エルンスト・ルビッチ。
グレタ・ガルボさん出演の映画『ニノチカ』も、この監督さん
の作品だ。
ハンガリー、ブタペストにある雑貨店。マトゥチェック商会。
オーナーはマトゥチェック氏(フランク・モーガン)、
営業して35年になる。
従業員は、クラリック(ジェームズ・スチュアート)含め
6人。クラリックは勤めて9年、主任だ。
そこに、クララ(マーガレット・サラヴァン)が勤めたいと
やって来て、クラリックは反対だがマトゥチェック氏は雇う
ことにする。
クララとクラリックの言葉で表す敵対関係。
クララの舌鋒鋭く相手を非難する言葉は少々キツイ。
笑ってかわせない。
クラリックに同情する。
しかし、ラストにおとなしめに言うクララの言葉に、そうか
それでかと納得する。
可愛さ余って憎さ百倍。
愛憎は紙一重。
最大の憎しみは最大の愛から生じる。
憎い憎いはかわいいの裏。
…とは言うものの、辛辣な言葉はいやですよね。
言う必要のない言葉は言わない方がよろし、と思いますが。
寂しいマトゥチェック氏がクリスマスの夜、17歳の新米従業員
と一緒に美味しいものを食べに行こうとするエピソード、
良かったねぇ~とホッとする。
マトゥチェック氏、いろいろあったものね。
話はクリスマス前のマトゥチェック商会の中で起こるあれこれ
を、クラリックを中心にテンポよくコメディタッチで描く。
手紙のやり取りがキーワードだが、それがメールに置き換え
られたリメイク版が1998年制作の「ユー・ガット・メール」の
映画。